今日は、平成29年度 第23問について解説します。

平成29年度賃貸不動産経営管理士試験 第23

プロパティマネジメントとアセットマネジメントに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

 

①  プロパティマネジメント会社は、アセットマネージャーから選定され、その委託を受けてプロパティマネジメント業務を担当する。


②  プロパティマネジメント会社は、自らの業務に合理性があることについて説明責任を負担しており、説明責任を果たすための客観的な根拠を常に準備しておかなければならない。


③  DCF法の収益費用項目のうち、運営費用の中には、対象不動産の管理業務に係る経費となるPMフィーが含まれている。


④  所有者の交代に際し、旧所有者から新所有者に貸主の地位が円滑に引き継がれるように尽力することは、重要なアセットマネジメント業務である。

 

 

解説

AM(アセットマネジメント)とPM(プロパティマネジメント)に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢を確認しましょう。

 


選択肢 ①

プロパティマネジメント会社は、アセットマネージャーから選定され、その委託を受けてプロパティマネジメント業務を担当する。

 

〇適切です。

プロパティマネジメント(PM)は、実際の賃貸管理・運営を行うことをいいます。アセットマネージャーから委託を受け、その指示に基づいて業務を行うのがプロパティマネジメント会社(プロパティマネージャー)です。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ②

プロパティマネジメント会社は、自らの業務に合理性があることについて説明責任を負担しており、説明責任を果たすための客観的な根拠を常に準備しておかなければならない。

 

〇適切です。

プロパティマネジメント会社は、調査・提案の対象である投資家が常に入れ替わる可能性があるため、不特定の相手方に対しても納得を得られるよう、論理的な説得力と客観的な資料や根拠を準備する必要があります。
これにより、自らの業務に合理性があることを示し、説明責任を果たすことができます。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です

 


選択肢 ③

DCF法の収益費用項目のうち、運営費用の中には、対象不動産の管理業務に係る経費となるPMフィーが含まれている。

 

〇適切です。

ディスカウント・キャッシュフロー法(DCF法)は、不動産の収益価格を求める代表的手法で、証券化対象不動産の価格算定に用いられます。

DCF法では、PMフィー(プロパティマネジメント費用)は物件の運営に直接要する費用として運営費用に計上します。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 

 

※令和7年度の公式テキストを確認しましたが、DCF法やPMフィーに関する記述は見られませんでした。
そのため、試験に出題される可能性は低いと考えられます。

ですので、もしこの選択肢がわからなかったとしても、この解説を読む程度で十分です。(深追い不要です)

 


選択肢 ④

所有者の交代に際し、旧所有者から新所有者に貸主の地位が円滑に引き継がれるように尽力することは、重要なアセットマネジメント業務である。

 

×不適切です

旧所有者から新所有者へ貸主の地位が円滑に引き継がれるよう、必要な調整や支援を行う役割を担うのは、プロパティマネジメント業務です。
所有者や投資家の交代に関する業務は、プロパティマネジメント業務の中でも重要性の高い業務とされています。

つまり、所有者の交代に際し、旧所有者から新所有者に貸主の地位が円滑に引き継がれるように尽力することは、重要なプロパティマネジメント業務です。よってこの選択肢は不適切です。

 


 

以上から、正解は選択肢④となります。

 

 

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